2023年7月20日〜23日 バンクーバーでIPPA World Congress 2023(ポジティブ心理学 世界大会2023)が開催された。現地で参加してきました。
オープニング James Pawelski博士らによる、Welcome Orientationより:
4年ぶりの対面参加が可能になったことへの喜びを伝えると共に、
COVIDによるパンデミックは乗り越えたが、次にくるのは孤独、社会的孤立というエピデミックだ
と語りました。
それは壊滅的な影響を及ぼす可能性がある 。
米国以外の国々はすでにこの問題を認識しており、
例えば英国は2018年に孤独担当大臣を任命 したというニュースは皆さんご存じのことと思います。
(もちろん日本は世界で2番目に孤独担当大臣を任命した国ですが、そんな言及はなく)
孤独、社会的孤立というこの次のエピデミックから身を守る優れた解毒剤があるとすれば、それは、positive relationships(ポジティブな関係性)である。
すでに持っている人間関係を深めることに心を開く。
また、意図的に新しい人々に会い、彼らを知り、彼らがなぜここにいるのかを尋ね、彼らの抱えている様々な荷物、課題をクリアする方法を一緒に考えてほしい。
あなたが研究者であろうと、実務家であろうと、
常連の参加者であろうと、今回初めての参加であろうと、
私たちは、あなたがこの大会の大切なメンバーであることを知りたいと思います。
そして、お互いのつながりと、コミュニティを作ることによって、孤独と社会的孤立の蔓延に対する様々な支援サポートが生まれることを期待しています。
今回のバンクーバーでの大会の期待と、スタート早々から重要なキーワードを託された感があり。
また、Flourish繁栄することは人間の経験の重要な目的である、という信念を持って我々は集まった、と語り、
実際、そのような重要なサポートは、最も堅実な科学的方法を用いて研究する価値があり、
私たちが開発できる最も強力なエビデンスベースのプログラムによって成長発展する、として国際ポジティブ心理学会IPPAの使命を改めて確認できました。
また、本大会のキックオフとなったパネルディスカッションでは、
国連のWorld Happiness Report世界幸福度報告書の著者でもあるJohn Helliwellジョン・ヘリウェル博士を中心とした議論が行われました。
この報告書の歴史歩みについて、
そして今後世界幸福度報告書に期待することなど
1つキーワードを挙げるとすれば、“幸福の格差”。
今回のコングレス4日間を通して議論されたテーマは様々。
例えば、
孤独・社会的孤立というエピデミック、
幸福の格差、富の格差、
若者のメンタルヘルス問題、
気候変動問題、自然環境問題・・・
幅広い、しかしながら、我々が共通で抱える複雑な課題に対して、
「ポジティブ心理学はどんな貢献ができるのか? できるとすればどんな挑戦か?」
この一貫して流れる問いに、向き合う4日間でもありました。 参加したセッション内容についてはまた改めてご紹介します!
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